意外と集中力を要す、詩なるもの。
「詩」というのは不思議なもので、読み流すこともできる詩もありますが、読むのに集中力が必要とされる詩もあります。
エミリー・ディキンソンの詩は、1行が4つ程度の単語。その行が4~6行ほどをひとつのグループに。そして詩全体では2つ以上のグ...
対訳(詩)を味わう方法
19世紀、アメリカの詩人 エミリー・ディキンソンの対訳を手に取っています。詩に明るい方とある一篇の単語について話題になり、がぜん興味を持ってしまったのでした。
話題になったのは「 circumference 」という言葉。
辞書...
お話上手なひとの秘訣
会合で来賓のご挨拶を聴く機会があるでしょう。その中でも話がお上手な方もいらっしゃり、それぞれ個性があります。
話の構成がお上手な方、はじめにガシッと心をつかむのが上手な方。話すスピードが速くてついていくのがはじめは大変だけど、慣れてく...
北極冒険家、南極へ旅す
月刊誌『文藝春秋』4月号、冒頭。P.84-86。北極冒険家 荻田泰永 氏のエッセイが読みやすい。北極冒険家が、南極へのチャレンジを記したもの。荻田氏は日本人初の無補給単独徒歩による南極点への到達に成功したという。その旅路の内容だ。
P...
4つの学習レベルを意識する
エイドリアン・スライウォツキーの『ザ・プロフィット』から。この本はビジネス小説形式をとっていて、難解な利益モデルを物語でほぐそうと試みています。
テーマがそもそも難しいため、理解にも何回も行き来しないと達せないと思いますが、記憶には残...
訳し方でこんなにも…
日本中世の説話集『宇治拾遺物語』(うじしゅういものがたり)が面白いと伝え聞き、町田康さんによる翻訳を読みました。
宇治拾遺物語は宇治大納言源隆国が編纂したとされる説話集(現存しないらしい)にノミネートされなかった話を拾い集めたものを指...
素読について その5
素読について『素読のすすめ』著者 安達氏 は、実際に素読を受けた経験のある貝塚茂樹博士へインタビューを行っている(P.49より章末まで)。
テキストは「大学」。(祖父)が棒先で一字一句指し、時には返ったりしながら音読。丁寧に読むので、...
素読について その4
「詩」というものは黙読するものだと思っていた。ただ、記憶をたどると声に出して残る詩もあった。
宮沢賢治さんの「雨ニモマケズ」は最たるものだと感じる。また、詩ではないが福澤諭吉の「学問のすすめ」の冒頭も有名だ。なににせよ名文といわれるも...
素読について その3
漢文素読については、音読みなのか訓読みなのか迷うところ。
『素読のすすめ』によると、漢文素読について
音読み素読(上から下へそのまま読み下す)
と
訓読み素読(返り点で行き来する)
があり、これを並行して行うこ...
素読について その2
『素読のすすめ』、古今東西とわず事例をひいてくださっています。
○○とはなんぞやというときには根っこの部分をさぐると気が楽になります。
安達 忠夫 氏 曰く (P.242)
素読の原型は母の語りかけであり、幼児に絵本を読ん...
素読について その1
素読(そどく)というものがある。漢字(素読)だけみると、ソドクなのかスドクなのか戸惑うことがある。...というくらい身近であって身近でないものだろう。
学生時代、国語の授業で順番順番に教科書を読んだ記憶がある。あるのだが、何を読んだの...
書き写す事の効用
これは!と思った本の一文を書き写す経験。どなたにもあるのではないでしょうか。
文筆家でも、好きな作家を書き写すことを修練にしていたなどという話も聞きます。実際に好きな作家さんの文章を書き写してみると、意外に自分の身体に残るものです。仮...
壊すでなく、毀す
北方謙三氏の南北朝時代小説『道誉なり』。バサラ大名の佐々木道誉の動きがダイナミックであり、小気味よさが堪能できる一冊です。
物語の中で、道誉はバサラらしく嘲るように既存のものをこわしにかかります。
そこで北方氏が使う漢字が壊すで...
常用漢字と熟語を掛けると…
井上ひさしさんの『日本語教室(P.97)』に面白いナゾナゾがありました。
いま常用漢字は1945個あります。
二字熟語にするといくつの概念が生まれるのか。
1945×1945=378万3025個。
なぜこのような...
言葉の意味には二通りがある
辞典の編さんにたずさわってこられた増井 元 氏。氏の著書によると「ことばの意味とは何か」について答えるのに、いち個人として応えをもつ必要は必ずしもないのではということ。一方で、たとえば国語辞典の解説に意味として何を書くか。これについては明確...