映画『L.A.コンフィデンシャル』を映画館で観たときの印象、いまでもとてもよく覚えています。誰が主人公なんだかわからない状態で物語が進み、いくつものエピソードが並走していくのです。そして、終盤で突然絡み合った糸がとつぜんほどける。そしてその余韻が残り続ける。
このような物語だったのですが、原作者ジェイムズ・エルロイの小説も同じような感覚を味わっています。しかも、今回は糸がほどけるどころか、いくつかの糸はプツンと切れてしまいさえするのです。
そんな感覚を味わってしまうと、なかなかできるものではないとわかりつつ、話の組み立てに工夫を施したくなりますね。
そして、ぜひ原著にチャレンジしてみたい。ただ、”英語に対して暴力をふるう”とも評される文体だそうです。まずは読む、というよりは眺めるという感覚で手に取ってみようかな。
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